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さらに水平道を行く3 [黒部川釣行記]

「十字峡」を目指す

本流の水かさは増していた。黒四ダムの放流の後のようだ。来た時
よりも水深があり流れも強い。泳いで渡る位置から100m位下流
の滝は1m程の落差になっているようだ。その下は白泡を吹く深み
で、あの滝まで流されたらお終いである。

今度は彼が先に飛び込んだ。水泳には相当自信があるらしい。やは
り平泳ぎだった。見ていると、飛び込んだ位置から自分より大柄な
彼が凄い速さで流されてゆく。斜めに30m位は流されていた。マ
スター級の彼も必死だったようだ。

さあー、今度は自分の番だ、どうしても渡らなければならない。す
ると、彼が対岸の中洲から何か叫んでいる。「ザイルを投げろ、泳
いでいるところへ投げるから」と言っている。

私の泳ぎに不安を感じたらしい。マスター級が不安を感じるのだか
ら、彼も相当ビビッたようだ。対岸にいる彼目掛けて、ザックから
出したザイルを思い切り放り投げた。

「ザブーン!」先程の彼が斜めに流されたの見て、なるべく直角に
短い距離で向う側に到達するつもりでクロールで夢中になって泳い
だ。20mは流されたが、なんとか対岸にたどり着いた。途中、彼
が投げたザイルが水中で見えたが、とても掴む余裕はなかった。
やれやれ---である。

危険水平道.jpg
水平道をしばらく歩くと、こんな危険なところもある。
遠方に見えるのは関電の換気口。向こう側から写
真の左の奥へ削れた道があり、回り込んで手前へ
と歩く。

しばらく休憩をして、足早に水平道まで登り「十字峡」を目指して
歩き出した。山側の右手は切り立った断崖絶壁で左の下方は、やは
り200mの谷である。道幅は崩れて部分的に1mも無い危険な箇
所もあり、ザックが右側の突き出ている岩に当れば反動で谷側に飛
ばされてしまいそうな感じだ。

ゆっくりと慎重に通過してS字峡らしき所まできた。S字峡は、黒
部川が文字通りローマ字のSの字のように流れている所といわれて
いる。

道の端に確か「S字峡」と書いた小さな標識が有ったように記憶し
ているが注意していないと通り過ぎてしまうかもしれない。よく見
えなかった。そのためか、S字峡はあまり印象に残っていない。




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