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「欅平」から日電歩道を行く7 [黒部川釣行記]

kebariline3.jpg
これも、毛バリと一緒にもらったテンカラのラインである。
馬素を縒ったもので、軽く、竿を振ると絶妙な感じで翔ぶ。
フワリと狙ったポイントに着水する。
長年、職漁師として生活していたプロの技術が結集した
優れものである。やはり、人から教わったり、真似事では
シンプルで有効な道具は得られない。

暫く歩き、水平道から少し谷側に道が広くせり出した所から、黒
部川右岸に餓鬼谷の稜線の谷間が見えた。そしてまた暫く歩き、
やっと、目的の阿曽原温泉の位置を確認できる場所までたどり
着いた。

左右の垂直面は山襞でくねくねした道だから目標の阿曽原温泉
も見え隠れする。「もう少しだ、、、。」という思いがした。小屋に着
けば温泉にも入れるし祝杯も揚げられる。

何の祝杯でも良いのだ。重い荷を背負って、汗だくになり、ヨタヨタ
しながら辿り着くのだから「無事到着祝い」かな。

明日はどうするか、あの滝は越せるか、天気はどうか、そんな事
を想像したからだろう、気のせいか一時的に楽になったのを覚え
ている。

小屋が間近に見えた。もう着いたようなものである。阿曽原温泉
の直ぐ下の沢でラストの休憩を摂ることにした。軽量の登山靴を
脱いで冷たい沢水に足を入れると今までの疲れが少し癒された。

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「阿曽原温泉」は黒部川左岸の高台に有った。黒部川は欅平か
ら蛇行しながら此処まで続き、さらに上流の十字峡・黒四ダムを
経て源流部に至っている。

ダムまでは水平道と共におおよそ平行して流れている。「阿曽原
温泉」の所は低くなっていて山荘は黒部川の岸の崖の上の眺め
の良いところにあった。

約6時間で予定通りだった。山荘の空き地にテントを張る。飲み
物は重いからポケット瓶のウイスキーを持参していたが、元来は
二人とも日本酒である。

取り合えず、山荘の売店に行きビールを買って乾杯することにした。
真夏に汗まみれで、やっとたどり着き、明日の楽しみを心に秘めて
の祝杯。これぞまさに至福の時である。---「乾杯!」

それから、飯を炊いてそそくさと食事を済ませる。山の夕暮れは
はやい。見上げる漆黒の夜空は満天の星だった。少し下った所
に露天風呂があり懐中電灯で急坂を降りてみると、コンクリート
で造られた長方形の大きな浴槽があった。

他に客は無く二人で貸し切り、ウイスキーを飲みながらドップリと
湯に浸かる。疲れでトロンと眠くなるが、明日の期待で話がはず
んだ。

間近に黒部川の瀬音を聞きながらの入湯は最高で、また、良い
湯加減だった。





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